もう一点、認識しておかねばならないのは、こうした都市を実現した「主人」は、他ならぬマーケッティングという魔物であることです。


ラスベガスのホテルを手がけている建築家に著名なひとの名を見いだすことは難しいでしょう。


「MGMグランド」の設計者は、アメリカ建築家協会に属していますが、ラスベガス近郊のヘンダーソンを拠点に活動している人物のようです。


おそらく、どのような建築にするかは、建築家の決定事項ではなく、テーマパークを含めた計画全体の立案が決定された後、彼はそれに従って建物を忠実に組み上げていったに過ぎないと思われます。


つまり、どのようなホテルをそこに置けば、自らも潤い、都市が活性化するのかという視点で、建築の骨格は決定されたのです。


その際に参照されたのが市場動向であり、市場原理でした。



精巧な人間の眼力はいうなれば「嘘っぽさ」を立ちどころに見抜いてしまうのです。


それらの建築がならぶ都市景観が人間の欲望が渦巻くヨーロッパの都市のようなおどろおどうしさを欠いていて・・・


どこか底抜けしたような空疎さを示していることを、ラスベガスの観光客たちは楽しみながらも見抜いていることは間違いありません。


それはひどいことなのでしょうか?


わたしは、「歩留まり」という言葉で、その問いに答えたいと思います。


ラスベガスでは20世紀のベストが尽くされていることをまず認識したいと思います。


モダニズムへの反省も、都市を空洞化しないための知恵も発揮したうえで、バブルに走らず、大衆をしっかりと視野に入れながら、20世紀都市のカテゴリーにこだわらない「楽園」が指向されています。


そして、その企ては、現状で望みうる限りの成功を収めているといっても過言ではありません。



1990年の「エクスキャリパー」は刺激的な形でその通弊を打破する先駆けとなりました。


ポスト・モダンのレトロスペクティブ(懐古的)な指向が、端的な大衆的図像となって実現したのです。


これらの建築に共通するのは、「CG(コンピューター・グラフィックス)ピクチャレスク」と呼べそうな薄っぺらな表現です。


古めかしい言い方をするなら、「書き割り」調ということになります。


コンピューターのCRTのうえでCADを使って描き出されたグラフィックスをそのまま極度に拡大して現実の都市に据えたのが「MGMグランド」であり、「ルクソー」であり、「エクスキャリバー」なのです。


建築としての存在は間違いなく3次元の立体ですが、一種特異なパースペクティブは2次元の画面の上に描き出した物体のように見えてならないのです。


ひとつひとつの石を積み上げて構築した、じつはいびつなシルエットを持つ本物のピラミッドの姿は、そのような手軽な描法では再現できません。


スフィンクス像の前の噴水の水幕は、夜間にはホログラフィーのスクリーンとなって、スフィンクスの立体画像を映し出して観光客を喜ばせます。


通常、ヴァーチャル・リアリティーをはじめとするコンピューターライズされた技術は、そこにマッスを持った物体が存在していないのに、それがあたかもあるかのように見せかけるために用いられます。


しかし、砂漠の真っ直中のこの都市では、ありえないはずの現実のスフィンクスが鎮座しているすぐ眼前で、ホログラフィーは「誇大妄想」の片棒をかついでいるのです。


建築家は図案化されたMGMのライオンを具象的にかたどったり、ディズニーのお城を一段と気恥ずかしくしたような「エクスキャリバー」の中世のお城を再現したり・・・


モダニズムの機能主義からずいぶんとかけ離れた具象的なオブジェを手がけさせられています。


実のところ、一昔前にモダニズムの波はこのラスベガスにも押し寄せてきていて、1960年代前後に建設された大ホテルの実態は、ネオンサインのけばけばしさはともかく・・・


本体の建築の方は日本のビジネスホテルのような無味乾燥なものばかりです。


日本の一家庭あたりの子どもの数は、1.8人と2人を割っているのが現状です。


さて、私たちの世代をみると、4人兄弟、5人兄弟がざらにいました。


さらに、祖母の時代にまでさかのぼれば、7人、8人、10人兄弟もめずらしくありません。


明治の女性たちは、たいへんな数の子どもたちをうみあげていました。


私の2人の祖母も、やはり明治女の例にもれず、ひとりは6人、もうひとりは10人の子どもをうみあげました。


私自身、この祖母たちのもっていた気骨、迫力には、どんなに年をとってもとうていおよばないと思っています。


多くの子どもをうむ苦労、育てる苦労、夫にしたがう苦労、そして、戦争や病気で大切な子どものうちの何人かを失った悲しみ、それらを通して、女性は母として、大地のようにおおらかでたくましく、やさしく、自分自身を育ててきたのでした。

日本人は歴史的に「乾物類」を重宝してきました。


高野豆腐や湯葉、かんぴょう、ひじき、昆布などです。


これらの乾物を水でもどしたものと、なまのものをくらべてみましょう。


100グラム重量で比較すると、乾物のほうが鉄分やカルシウムが3倍ぐらい多いのです。


たとえば、しいたけを天日乾燥させると、化学変化がおこって、プロビタミンDができ、さらに、たんぱく質の量がふえたり、鉄分やカルシウム分もふえます。


また、切り干し大根は、なまの大根にくらべて繊維もたいへん多いし、鉄分、カルシウム、それにたんぱく質も多くなっています。


・・・このように、乾物野菜というのは、ただ流通に便利だというだけでなく、知らず知らずのうちに体得した昔の人の知恵によるものなのです。


では、栄養代謝にとって不可欠なこの超微量栄養素のじょうずなとり方についてのべてみましょう。


たとえば、根菜類には土のなかに含まれる金属イオンがたくさん入っています。


鉄分、ナトリウム、亜鉛、フッ素、カリウム、リチウム、それにヒ素も入っています。


これはふだんはあまり関係ないのですが、この100分の1マイクログラムぐらいのヒ素が、人体の栄養代謝のなかでひじょうに重要な働きをしているのです。


繊維をとるためには、ほうれんそうとか春菊とか根みつばといったいわゆる緑の濃い野菜でなければなりません。


ところが葉野菜だけ食べていても根菜類を食べなければ、やはり栄養素が十分とはいえないのです。


ビタミンCとかAは地上にはえている野菜でいいのですが、土のなかには金属類がひじょうに多いので、土からとれる根菜類を食べないと、金属が不足して代謝が悪くなってしまうのです。

超微量栄養素が、ほかにどのような影響をおよぼすかについて、ある研究所で心療中の非行児たちの毛髪分析をさせてもらった結果、えられたことをもとに話しましょう。


普段から、カロリー、脂肪、塩分、砂糖が多くて、ビタミン、ミネラルが少ない食生活をしていると、超微量栄養素も不足しますが・・・


同時にアルミニウム、カドニウム、水銀などの有害な金属を排泄する力も失われます。


また、このような悪い食事を続けていくと、骨のなかからカルシウムが溶けでて、髪の毛のなかに排泄される一方、リチウム、ニッケル、モリブデン、亜鉛、クロムなどの超微量栄養素が、極端に少なくなります。


亜鉛は、精白されない穀類、臓物類、カリフラワー、グリーンピース、カキなどの貝類などからとれるものですが、これが不足すると、味覚障害をおこします。


味覚障害になると、異常食欲になったり、濃い味つけを好むようになり、野菜や豆類などは、まったく味がついてないと感じるようになります。


ある毛髪分析の表はある非行児のものですが、残りの被検者6名全員もまったく同様のミネラルの異常を示したことには驚かされました。

上手ないばり方(役割の維持と主張)とは相手に不快感を与えない役割主張のことです。


その骨子は相手のナルシシズム(プライド)を傷つけないことです。


相手のナルシシズムを傷つけながらの自己主張をけんかといいます。


ここで提唱するいばり方は「私は~と思います」式であり(私メッセージともいう)、「あなたは~です」式の非難型のものではありません。


効率的であるいばるべきではないというビリーフにとらわれると万事がスローになります。


会議ばかり開いて一向に何も決まりません。


たとえばある会合で


「いかがでしょうか、おひとりずつ自己紹介でもして、それから会議に入りましょうか。いかがいたしましょうか」


・・・と司会者がていねいに参加者に伺いをたてました。


参加者はお互いに未知であるからかしこまってじっと座っているだけです。


司会者は


「ではまず1人30秒ずつ自己紹介をして、それから会議に入りましょう」


・・・と宣言するくらいの権限は持っています。


つまらないことまでいちいち人の意見をきくのは時間のむだのように思えます。

「沈黙は金である」とか「口は災いのもとである」・・・


このような言葉を信じ込んで、言うべきときに黙っていると、ますます屈辱感・劣等感・恐怖が高まってくることがあります。


けんかのあと味はあまりよいものではないですが、沈黙を守ったためにいつまでも後悔するよりはまだましです。


むかし私は受刑者のカウンセリングをした時期があります。


ある受刑者がいうのに、人の家に泥棒に入るとき(自己主張に相当する行為)はこわくない。


逃げまわっているときの方がこわい、と。


私の経験では団交のとき、受けて立つより攻める方がずっと楽です。


つまり攻撃性の外向化は、不安・恐怖を一時的にせよ吹き飛ばしてくれます。


・・・そのことを生活の智慧で知っているがゆえに、小心者、憶病者ほどよく怒鳴るのです。


怒鳴ることによって不安・恐怖を克服しようとしているのです。


・・・ということはやたらに部下や妻子に当たり散らす上司はよほどの小心者・憶病者ではないかという推論がなりたちます。


これは好ましくないいばり方ですね。

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